三井住友トラスト基礎研究所は、2003年12月より、不動産私募ファンドを組成・運用している企業へのアンケート調査、ヒアリングおよび各種公表データや報道資料に基づいて、不動産私募ファンドの市場規模やファンド組成動向などを公表しています。
[ 2016年9月2日公表 ]
2016年6月末時点での不動産私募ファンドの市場規模を、運用資産額ベースで約15.5兆円と推計しました(グローバルファンド(※)による国内運用資産額を含む)。前回調査(2015年12月末時点)から約6,600億円増加し、2013年1月調査(2012年12月末時点)以降減少傾向にあった国内不動産私募ファンドの市場規模は、4年ぶりに増加に転じました。
運用資産額が増加した運用会社数が、減少した運用会社数を大きく上回り、全体として前回推計結果から約4.4%増加しました。ここ数年外資系運用会社を中心に物件売却を進めてきた動きが一服し、積極的な物件取得活動により取得が売却を上回り、資産規模が増加した運用会社が多いものとみられます。
オープンエンド型私募ファンド(いわゆる私募REIT)への取り組み状況に関する調査では、14社が既に運用を開始していると回答しました。また、今後のオープンエンド型私募ファンド市場の発展に必要な内容についての調査では、「ファンドに投資する投資家層の拡大」との回答数が最多となり、前回(2016年1月)・前々回(2015年7月)調査で最多回答であった「銘柄数や資産規模の拡大」を上回りました。私募REITの市場規模が一定程度拡大してきており、規模だけでなく質の安定を目指していく第二ステージに入りつつある状況ともいえます。
(※)グローバルファンド・・・日本以外の国も投資対象とするファンドとして、当社が定義
「不動産私募ファンドに関する実態調査 2016年7月 〜調査結果〜」(PDF:960KB) |