不動産私募ファンドに関する実態調査 2015年7月 〜調査結果〜

株式会社三井住友トラスト基礎研究所

※最新の調査結果は、「私募ファンド市場動向」をご覧ください。

  • 株式会社三井住友トラスト基礎研究所では、2003年より不動産投資市場調査の一環として、「不動産私募ファンドに関する実態調査」を行っている。本調査は、今回で20回目となり、58社の不動産運用会社から回答を得た。

  - 調査対象:国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社
  - アンケート送付先数:106社
  - 回答社数:58社(回収率:54.7%)
  - 調査時期:2015年7月
  - 調査方法:郵送およびEメールによる調査票の送付・回収

  • 上記アンケート結果およびヒアリング・公表情報をもとに当社では、2015年6月末時点での不動産私募ファンドの市場規模(運用資産額ベース)を15.1兆円と推計した。この数値には、当社が把握しているグローバルファンド(※)の国内不動産運用資産額を含めている。前回調査(2014年12月末時点)での運用資産額(15.1兆円)から505億円(0.3%)減少したものの、ほぼ横ばいの推移となった。

不動産私募ファンドの市場規模はグローバルファンドを含めて15.1兆円

  • 2015年6月末時点での不動産私募ファンドの市場規模を、運用資産額ベースで約15.1兆円と推計した(グローバルファンド(※)による国内運用資産額を含む)。前回調査(2014年12月末時点)から505億円(0.3%)減少したものの、ほぼ横ばいの推移となった。
  • 運用資産額が増加した運用会社数が減少した運用会社数を上回ったが、ファンドの運用終了等により減額幅が大きい運用会社も複数あり、全体としてはほぼ横ばいでの推移となった。国内特化型私募ファンド、グローバルファンドそれぞれの総額も前回調査とほぼ変わらなかった。
  • 順調に資産規模が拡大しているJ-REITとは対照的に、私募ファンドの市場規模は、2012年12月末時点での調査以降、保有物件の売却を進めたことを主因として減少傾向にあった。今回調査では前回調査とほぼ変わらず横ばいの推移となり、市場の縮小傾向に歯止めがかかった可能性がある。不動産取引市場では物件取得が困難な状況が継続しているが、今後1年以内のファンド組成を計画している運用会社も多く、物件取得に関しては大半の運用会社が積極的な姿勢を示している。今後私募ファンド市場が再び拡大基調に入り、健全に成長していくことが期待される。

 (※)グローバルファンド・・・日本以外の国も投資対象とするファンドとして、当社が定義

私募ファンドとJ-REITの市場規模推移

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