不動産私募ファンドに関する実態調査 ~2021年7月 調査結果~

株式会社三井住友トラスト基礎研究所

     株式会社三井住友トラスト基礎研究所は、不動産投資市場調査の一環として、2003年より年2回の頻度で「不動 産私募ファンドに関する実態調査」を行っている。本調査は今回で32回目となり、43社の不動産運用会社から回 答を得た。

  - 調査対象:国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社
  - アンケート送付先数:109社
  - 回答社数:43社(回収率:39.4%)
  - 調査時期:2021年7月~8月
  - 調査方法:Eメールによる調査票の送付・回収

不動産私募ファンドの市場規模は、グローバルファンドを含めて23.4兆円と推計

  • 上記アンケート結果およびヒアリング・公表情報をもとに、当社は、2021年6月末時点の不動産私募ファンド(私募REIT含む)の市場規模(運用資産額ベース)を23.4兆円と推計した。この数値は、当社が把握しているグローバルファンド(※)の国内不動産運用資産額を含めている。前回調査の運用資産額(2020年12月末時点:22.5兆円)から約0.9兆円(約4.0%)増加し、前回調査に続き過去最高額を更新した。市場規模の増加ペースは1.4兆円増加した前回調査と比較して若干減速したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の環境下においても引き続き国内不動産私募ファンドの市場規模の拡大が継続している。

    ※グロ-バルファンド・・・日本以外の国も投資対象とするファンドとして当社が定義

投資家の投資意欲が改善、「物件取得を行った」とする回答割合は過去最大に

  • 今回のアンケート結果で注目すべきは、投資家の投資意欲について、「低くなってきている」の回答割合が、2020年7月調査の33%、2021年1月調査の12%から大幅に減少し、今回調査では2%となったことである。新型コロナウイルス感染症の拡大により、一部エクイティ投資家の投資意欲は一旦低下したが、コロナ禍が継続する中でもワクチン接種率の拡大やEU・米国での景気回復傾向等を背景とした投資意欲の回復がうかがえる。
  • 2021年上半期(1~6月)に物件取得を行ったとする回答割合は72.5%と、過去調査の中でも最大となった。また、同時期に物件売却を行ったとする回答割合も過半を占め、コロナ禍においても積極的に資産の入替を行っている運用会社が多い。

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