インフラ投資に関する調査 2024年5月-調査結果-
~年金基金および機関投資家に聞いた最新のインフラ投資動向~

株式会社三井住友トラスト基礎研究所

調査結果 要旨

株式会社三井住友トラスト基礎研究所は、「インフラ投資に関する調査 2024年5月」を実施し、国内年金基金および機関投資家におけるインフラ投資の現状や今後の意向について調査しました。
なお、本調査は2021年まで、当社が実施している「不動産投資に関する調査」の一環として行われていたものです(2022年は実施せず)。2023年以降、当社では「インフラ投資に関する調査」を「不動産投資に関する調査」から独立した形で実施しています。

<調査対象と方法>
- アンケート送付先:214(年金基金:138、機関投資家等:76)
- 回答数:102(年金基金:71、機関投資家:31)(有効回答率:47.7%)
  年金基金・・・確定給付企業年金68(96%)、その他(公的年金、厚生年金基金等)3(4%)
  機関投資家・・・銀行20(65%)、生損保9(29%)、その他2(6%)
- 調査時期:2024年5月
- 調査方法:電子メールおよび郵送による調査票の送付・回収

調査結果の注目ポイント

    <今後のインフラ投資方針>
    年金基金は積極姿勢継続、機関投資家は積極姿勢と慎重姿勢に二極化
  • 今後のインフラ投資方針については、年金基金と機関投資家との間で傾向が分かれた。 年金基金では「投資検討すべき投資対象の一つとして考えている」との回答が昨年から引き続き最多となった。さらには「今後、新たに投資を開始する予定である」との回答が過去最多となり、インフラへの積極姿勢が続いている。
    機関投資家では「投資を行っておらず、今後も投資する予定はない」との回答が昨年から引き続き最多である一方、「既に投資しており、今後、投資額を増やす予定である」との回答と拮抗しており、 インフラ投資に対して積極的な投資家と慎重な投資家に二極化している。

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    <現在のインフラ運用資産の内訳>
    年金基金は海外インフラファンドに集中、機関投資家は国内インフラファンド等にも分散
  • インフラ投資運用資産の内訳をみると、年金基金は「海外インフラを投資対象とした私募ファンド」と「海外インフラデット(メザニン含む)」への投資に集中しており、近年その傾向は強まっている。機関投資家では「国内インフラを対象とした私募ファンド」の回答が最多だが、「海外インフラを投資対象とした私募ファンド」および「海外インフラデット(メザニン含む)」の回答も拮抗しており、投資対象は分散している。

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    <投資対象エリアの傾向>
    グローバル分散志向に注目
  • 「現在のインフラ投資エリア」と「今後投資を増やしたい・開始したいインフラ投資エリア」を比較すると、いずれも「グローバル」が最多となった。年金基金の現在の投資エリアで最も多い「北米」は、今後投資を増やしたい・開始したいエリアでは「欧州(英国含む)」および「国内」と同数となっている。また、「現在のインフラ投資エリア」として多数の回答を得た「豪州・ニュージーランド」について、「今後投資を増やしたい・開始したいインフラ投資エリア」との回答は少数にとどまった。
    これらの回答結果から、特定エリアへの集中投資を見直し、国内を含むグローバルなエリア分散を志向する動きがみられる。

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    <2022年半ば以降の金利上昇に伴うインフラ投資方針>
    金利上昇に伴うインフラ投資方針への影響は軽微
  • 年金基金、機関投資家いずれも、「金利上昇に伴うインフラ投資方針変更の予定はない」との回答が全体の9割を超えた。

その他内容の詳細については、弊社ウェブサイトをご参照ください。
インフラ投資に関する調査 (インフラ投資市場UPDATES内)
https://www.smtri.jp/market/infra_ivst/

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