住宅購入価格は年収の「5倍」が一般的に
~歴史的な低金利にもよらず、住宅ローンの返済負担が徐々に増大~
<要約・概要>
- 長期固定金利の住宅ローン【フラット35】利用者の平均的な年収と、購入した住宅価格の比率である価格年収倍率は、2015年2月に発行が予定される貸付債権担保第93回住宅金融支援機構債券の信託債権プールにおいて4.94倍と推計され、「5倍」に迫っている。
- 日本銀行による異次元の金融緩和を背景に、住宅ローン金利は大幅低下を続けており、利息負担の軽減が住宅購入者のローン返済負担を一定程度和らげているが、価格年収倍率の上昇を受けて足元では返済負担率が徐々に上昇している傾向にある。
- これまでのところ住宅ローンの貸倒リスクが高まっている様子は見受けられないものの、景気の悪化など収入環境に変化があった場合に備える上で、返済負担率を抑えることが重要といえる。
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