不動産会社による在庫圧縮の動きが徐々に広がる
~2016年度決算における「たな卸資産」の増減分析~
要約・概要
- 不動産会社87社の2016年度決算によると、資産規模1,000億円超の企業では販売用不動産などの在庫を期中に積み増した先が減り、一方で在庫を圧縮した先が増えた。特に、総資産1兆円以上の大手不動産会社グループでは、在庫を増加させた企業数が在庫を減少させた企業数を逆転した。
- 分譲事業や流動化事業以外のストック型ビジネスの比重が大きい大手不動産会社グループが在庫の仕入れに慎重になりつつある中、足元の不動産売買市場はフロー型ビジネスを主とする不動産会社の取得姿勢に影響されやすくなっていると考えられる。
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