不動産市場・トピックレポート
アフターコロナにおけるインバウンド消費と商業施設の行方
コロナ収束後のインバウンド消費では、体験型観光サービスの重要性が高まる
世界的なパンデミックに収束の兆しが見える中、すでに欧米諸国を中心に生活はアフターコロナへと移行しており、落ち込んだ旅行需要も回復に向かっている。日本においても、2022年10月には訪日観光客の制限が大幅緩和され、今後のインバウンド消費の回復が見込まれる。しかし、アフターコロナにおいては、コロナ禍前と比べて、インバウンド消費の在り方が異なると考えられる。
図表1が示すように、コロナ禍前においては訪日客における旅行支出は順調に拡大した。特に2015年は中国人の旺盛な購買行動の影響で、買物代が旅行支出を大幅に押し上げた。しかし、図表2が示すように、2016年以降は中国人の1人当たりの買物代が減少したことから、訪日客の買物代の増加率はほぼ横ばいとなり、一方で娯楽サービス費と飲食費の増加率は大きかった。訪日客の旅行支出における買物代の減少から、物販テナントの販売は中長期的には伸びづらく、インバウンド消費における飲食・サービステナントの重要性はより高まるだろう。
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