投資調査部 主任研究員
荻島 駿
新型コロナウイルス以降の所得・消費の動向
要約・概要
- 新型コロナウイルス感染症の影響は、2020年4月以降、所得・消費環境に大きな影響を及ぼしている。ここでは「どのような労働者・家計が影響を受けているのか」という点に注目した上で、足下までの所得・消費動向を公的統計から概観していく。
- 要点をまとめると、①賃金の減少はサービス業等の元々賃金水準の低い業種で顕著にみられ、業種間の格差が拡大している。②一方で消費については、高所得の家計ほど落込みが大きい。③こうした状況から、マクロ全体では貯蓄が大きく増加しており、今後の本格的な消費回復は、消費マインドの回復と積上がった「新型コロナ貯蓄」の解消にかかっている。