今後の不動産市場~予兆管理とキャップレート要因から占う~

投資調査第1部 主席研究員   馬場 高志

<要約・概要>

 我が国で景気後退への懸念が拡がっているが、不動産市場もその影響を免れず、様々な予兆管理指標で価格下落のシグナルが点灯している。ただし今のところ、不動産市場は自らを律し抑制的に振る舞っているように見える。その背景に、不動産価格変動の主因であるキャップレートが、短中期的には国内外の投資環境に左右されるが、長期的には市場流動性に応じた均衡水準に回帰し、特に成長過程にある物流施設・ホテル・高齢者住宅では、流動性の向上に伴い今後も一定程度の低下が見込まれていること等がある。
 現在、こうしたキャップレートの変動特性を踏まえ選別投資・長期投資を行う不動産プレイヤーが増加しており、今後の不動産市場は、これら投資家の買い支え等によりソフトランディングするものと期待される。


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