私募投資顧問部 主任研究員
三武 真知子
落ち着きを取り戻しつつある英国不動産ファンド市場
<要約・概要>
英資産運用会社Standard Life Investmentsが、取引の一時停止措置をとっていた同社運用ファンドの取引を10月17日に再開した。同社は、英国のEU離脱決定後、運用する公募型不動産オープンエンドファンドに投資家からの償還請求が殺到したことにより、7月4日に取引の一時停止を発表していた。この発表以降、他の大手運用会社の運用ファンドにおいても償還停止の発表が相次いだことで、BREXITショックとして日本においても大きく報道されたのは記憶に新しい。しかしながら、その後3ヶ月半余で取引停止措置をとった7社中6社が取引再開を発表、一時は大幅に悪化したファンドのパフォーマンスも改善傾向を見せており、英国不動産ファンド市場はBREXIT決定直後の混乱から落ち着きを取り戻しつつある。
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