マイナス金利導入後の住宅ローン市場
~頭金の減少は一過性の現象ではない可能性~
要約・概要
- マイナス金利政策導入後の2016年度を振り返ると、住宅ローン金利の低下を受けてローン借入額が1年前より平均90万円近く増加した反面、自己資金額は70万円ほど減少した。自己資金額の減少が、単に大きな金利裁定機会の出現に伴う一過性の現象と言えるかどうか、今後の推移が注目される。
- 低金利を背景に、住宅ローンの借換えは、フラット35以外の民間住宅ローンも含めて2016年度に10兆円規模に上ったと試算される。ただし、長期金利は2016年半ばを底に下げ止まっており、2010年から2014年の間に融資された住宅ローンの借換えが一巡すれば、借換えラッシュは終息に向かうものと考えられる。
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