海外市場調査部長 上席主任研究員
安田 明宏
【海外不動産レポート】ミャンマーの不動産市場の概況
<要約・概要>
- ミャンマーは、「アジア最後のフロンティア」として、世界の注目を集めている。民主化と経済改革が進んでいることを受け、外国企業の進出検討が本格化している。もっとも、外国企業の進出に必要となる法的な整備やインフラ建設はこれからであり、「先行者利益」と「事業展開上のリスク」の表裏一体の関係は当面続くとみられる。
- 不動産関連での進出は、東アジアと東南アジア勢が先行しており、欧米系の動きは限定的である。不動産取引市場は、取引できる物件に限りがあるため、現段階では、不動産開発で外国企業が進出するケースが多い。
- オフィスストックは小さく、外国企業が入居できるスペースに限りがある。進出ラッシュで賃料が高騰した結果、事業予算に限りのある外国企業にとっては進出の障壁になっている。外国人駐在員が居住する住宅の数も少ない。商業施設については、ショッピングモールの開発が進んできており、一部では外国テナントも入居し、事業を展開している。
関連レポート・コラム
・中国の個人投資家が海外不動産市場に向かう背景 (2014年5月12日)
・世界の不動産市場で存在感が増す中国資本 (2014年1月29日)
・シンガポールの都市戦略と住宅市場 (2013年2月12日)
・豪州住宅市場の特徴と今後の見通し (2012年10月15日)