私募投資顧問部 主任研究員
三武 真知子
グローバル不動産私募ファンド市場の動向
~グローバルに拡大する投資需要と供給のギャップ~
<要約・概要>
総合不動産サービス大手のJLLグループのレポートによれば、2015年第2四半期の世界の商業用不動産投資額(直接投資)は、前年同期比9%増の1,770億ドルとなり、13四半期連続で1,000億ドルを突破したとのことである。不動産間接投資の主要スキームの一つである私募ファンド市場においても、2015年第2四半期末時点ではグローバルに活況が継続しており、一部の指標では金融危機前の2007年と同レベルに達しているとの声も聞かれるようになっている。世界のクローズドエンドファンド市場、主要なオープンエンドファンド市場、そして日本の不動産私募ファンド市場のそれぞれの指標からは、潤沢な投資資金の流入により市場が概ね拡大傾向にあることが分かる。一方、旺盛な投資需要に対しグローバル不動産私募ファンド市場全般で投資適格物件が不足しており、需給のギャップが拡大している状況といえる。
関連レポート・コラム
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