分譲マンション市場・定点観測レポート
分譲マンションは今、買い時か?

投資調査第1部長 研究主幹   馬場 高志

要約・概要

 コロナ禍を受け、分譲マンションの取得に向けた動きが多様化している。富裕層あるいは所得が増加した世帯は、都心部でリモートワーク等に対応したより面積の大きい物件を求め、タワーマンション等の販売が好調である。取得価格に一定の制限がある世帯は、広い住宅面積を求め郊外エリアを志向する動きを活発化させている。一方で、雇用・所得環境が悪化している世帯は、既存物件の売却あるいは新規取得を断念するなど、その動きは悲喜こもごもである。
 こうした状況下、本稿では主要な不動産投資対象でもある分譲マンション(区分所有権)を取り上げ、「分譲マンションは今、買い時か?」の問いに答えてみたい。一般的には、購入時の平均予算(以下、「需要価格」)が大きく、売出し時の平均価格(以下、「供給価格」)以上であれば、買いやすい状況と言って良いであろう。

  • 「需要価格」を決定づける3要素「年収・金利・減税等」の動向
  • 需要価格(首都圏)は3要素が寄与し2009年から上昇基調が続く
  • 平均的な世帯にとって分譲マンションは買い時

report_20210531.png

関連レポート・コラム

関連する分野・テーマをもっと読む