画像解析は不動産の特徴を識別可能か?
~ CNNを用いたオフィスと住宅の画像分類 ~

私募投資顧問部 上席主任研究員    米倉 勝弘

要約・概要

  • 不動産投資にあたっては、対象物件の詳細情報が開示されない中で投資判断に向けた一次スクリーニングをしなければならない機会は多い。
  • 画像データには様々な情報が内包されており、対象不動産における詳細な情報が得られなくても、画像データを用いて維持管理の状態や修繕履歴などの影響を簡易に推計できるとすれば、実務上も有益である。
  • 本稿では、画像解析によって不動産の特徴を識別できるか否かを確認するため、CNNを用いた画像分類を行った。J-REITが保有する「オフィス」と「住宅」の画像を用いて「オフィス」と「住宅」を分類するモデルを作成した結果、畳み込み層1層のCNNというシンプルなモデルでも、「オフィス」と「住宅」の分類は高い正解率を示し、画像分類が不動産において有効に機能し得ることが確認できた。
  • 不動産における画像解析は、キャップレート推計モデルや賃料推計モデル、経済的築年数(≒耐用年数-経済的残存耐用年数)の推計などへ応用が期待できる。

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