世界主要都市の不動産市場サイクル 2021年Q3時点

海外市場調査部長 研究主幹    伊東 尚憲

要約・概要

 「グローバルマーケット・レポート」最新版より「足元の動向」のエッセンスとなる不動産サイクル判断をまとめたもので、世界の主要都市のオフィス賃料、オフィス資産価値、住宅価格は、変動サイクルのどこに位置するかを図示している。

  • オフィス賃料:引き続き下落局面にある都市が多いが、上昇局面に位置する都市も少しずつ増加。オフィス賃貸需要と新規供給のバランスは都市により異なっており、足元の動向はまちまちとなっている。また、中心部と郊外の需要動向の違いや、好立地の最新オフィス人気など、同じ都市圏の中でも回復動向に差異が見られる。
  • オフィス資産価値:オフィス賃料サイクルと同様に、下落局面にある都市が多いものの、上昇局面に位置する都市も少しずつ増加している。米国都市は下落局面に位置しており、各都市中心部は依然厳しいものの、郊外では資産価値上昇に転じる動きが見られるようになっている。
  • 住宅価格:住宅市場の活況が続いており、全ての都市が上昇局面に位置している。各都市とも住宅価格上昇の継続でアフォーダビリティは着実に低下している。前年同期比で見ると高い上昇率を維持しているものの、前期比で見ると上昇率が鈍化する都市が増えてきている。

関連事例の紹介

海外主要都市の不動産市場の比較や詳細な個別市場調査を行います
海外主要都市の不動産市場比較
海外エリア別・タイプ別の不動産市場調査

関連する分野・テーマをもっと読む