私募投資顧問部 副部長 上席主任研究員
米倉 勝弘
非上場オープン・エンド型不動産投資法人(私募REIT)の市場規模拡大に向けて ~利害関係人等からの物件取得の適正性~
<要約・概要>
2010年11月の運用開始以来、非上場オープン・エンド型不動産投資法人(以下、「私募REIT」)は、物件取得を積極的に進めている。一方で、私募REITのスポンサーにはデベロッパーや商社が名を連ねており、利害関係人等からの物件取得にあたっては利益相反を懸念する投資家もいるのではないだろうか。
本稿では、上場J-REITの取引データを利用して利害関係人等からの物件取得と第三者からの物件取得を比較し、利益相反の有無に関する検証を試みた。その結果、立地やビルのスペック等、他の要因を補正した取得価格水準での比較において、むしろ利害関係人等からの物件取得の方が第三者からの物件取得よりも相対的に低い価格で取得できているとの統計的結果が得られた。
関連レポート・コラム
・海外不動産オープンエンドファンドの特性について ~日本の非上場不動産オープンエンドファンド(私募REIT)の商品特性との比較 (2013年9月13日)
・「非上場オープン・エンド型不動産投資法人」 現状整理と流動性に関する考察 (2013年5月31日)
・私募REIT投資のリスク・リターン特性 (2013年5月13日)