私募投資顧問部 副部長 上席主任研究員
米倉 勝弘
期待利回りの長期金利に対する感応度が低下している要因
要約・概要
不動産の期待利回りの水準を議論するにあたって、その構成要素を「リスクフリーレート」と「リスクプレミアム」に分解するケースが多く見られる。
理論的に考えるとリスクフリーレートが低下した場合、期待利回りも同程度低下するはずであるが、実際の期待利回りとリスクフリーレートの関係性を見てみると、期待利回りの水準はリスクフリーレートほど変化しておらず、期待利回りのリスクフリーレートに対する感応度が低下しているように感じられる。
本稿では、リスクプレミアムの拡大がリスクフリーレートの低下を上回った結果であるとの仮説のもと、どのような要因がリスクプレミアム拡大に影響しているのかについて考察を試みた。
関連レポート・コラム
- (ニュースリリース)不動産私募ファンドに関する実態調査 2016年7月 ~調査結果~ (2016年9月2日)
- 今後の不動産市場~予兆管理とキャップレート要因から占う~ (2016年6月2日)
- 今は昔の物流・ホテルにおける買い手市場 (2015年5月25日)