私募投資顧問部 副部長 上席主任研究員
米倉 勝弘
地方主要都市に存する不動産(物件)への投資の合理性 ~鍵は長期保有か~
要約・概要
私募ファンド運用会社へのアンケートによれば、実際に投資しているエリアおよびこれから投資していきたいエリアは、いずれも首都圏が中心。投資エリアに関しては多くの運用会社が同じ投資方針であり、首都圏に所在する物件は相対的に流動性が高いものと考えられる。
一方で、地方主要都市エリアにおける期待利回りを見ると、足元の絶対水準はもちろん、過去からの推移などからも魅力が感じられる。
また、地方主要都市エリアに存する物件は、築年の進行に伴う経済的陳腐化が相対的に緩やかであり、長期投資に向いている可能性がある。オフィスに限って見ると、地方主要都市エリアでは新規供給が抑制されており、競合関係の悪化が限定的であることから、この傾向は今後も続くものと予測される。
長期投資を基本とするJ-REITや私募REITは、地方主要都市に存する物件を組み入れることに一定の合理性が認められるものと思われる。
関連レポート・コラム
- 地方都市での不動産投資は投資対象の多様化がキーポイントに (2016年3月29日)
- 縮まらない東京と地方のオフィス利回り較差 ~東京への資金集中を背景に、地方オフィスのリスクプレミアム低下が緩やかな模様~ (2014年11月27日)
- (ニュースリリース)不動産私募ファンドに関する実態調査 2017年1月 ~調査結果~ (2017年3月27日)