海外市場調査部 主任研究員
風岡 茜
【海外REITレポート】
グローバルREITと海外不動産投資
~J-REITによる海外不動産投資へのヒント~
要約・概要
海外では、REITによる海外不動産投資が行われている。J-REITによる海外不動産投資はまだ一例にとどまるが、REITが海外不動産投資に伴い支払う外国法人税に係る導管性判定式の改正も進行中であり、海外不動産投資のハードル低下に伴い、今後J-REITの海外不動産投資が促進される可能性がある。
本稿では、今後J-REITが海外不動産投資を行っていく上での参考となるであろう、グローバルREITによる海外不動産投資状況をまとめ、日本への示唆を探る。その主なポイントは下記の5点である。
- 米国、欧州、豪州、シンガポール、香港に上場するREITが主に海外不動産投資を行っている。
- グローバルREITによる海外不動産投資の内容は、運用主体や投資用途により千差万別である。
- 運用主体には、内部運用や開発が認められているREITも含まれ、日本との構造の差に留意が必要。
- セクター別には、商業施設、物流施設、特殊用途(個人倉庫、データセンター)、ホテル、ヘルスケア施設等のセクターでREITによる海外不動産投資が多くみられ、オフィスや賃貸住宅の事例は限定的。
- 海外不動産投資にかかわるリスク(為替リスク、財務リスク、土地勘の差異)に対する充分な配慮が必要。
関連業務実績
- 金融収縮期の海外REITに関する調査業務(2016年度)
関連レポート・コラム
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