不動産運用実務における社会(S)対応
~評価項目等の整理が社会的課題解決に資する不動産普及の決め手に~

私募投資顧問部 主任研究員   菊地 暁

 機関投資家等による投資先へのESG配慮を求める動きが拡大している。環境(E)にとどまらず、社会的課題を解決するための不動産とは何かを明示し、より多くの投資が社会的課題の解決にも振り向けられる環境整備を推し進める必要がある。
 社会(S)はその対象範囲が広範な故に、どのテーマにアプローチし、検討・整理するのかによってアウトプットは異なってくる。そのため、社会的課題に対応した評価分野・評価項目等を整理し、その達成すべき目標までの道筋を示すことが重要となる。この道筋に沿った形で、ビルオーナーはマテリアリティ(重要課題)の特定を踏まえた目標(ターゲット)を設定し、PM・BMはその具体的な取組の担い手となってテナントニーズを捉えつつ対応する。このような一連の流れの積み重ねが、社会的課題の解決に資する不動産を形成する決め手となる。

トピック

  • 多岐にわたる社会的課題の評価項目を整理し、道筋を示す
  • 社会的課題を階層として整理しつつ、変化を捉える
  • 社会的課題解決のキーワードは協働
  • テナント要望への対応履歴は不動産の付加価値となる

(綜合ユニコム株式会社「月刊プロパティマネジメント2022年2月号」 取材記事)

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