長期金利の上昇と商業用不動産価格の関連性

私募投資顧問部 主任研究員    米倉 勝弘

要約・概要

  • 過去における不動産価格と長期金利の推移を見る限り、両者に負の相関関係は認められず、長期金利の変化が不動産価格に対して直接的に作用しているとは言いがたい。
  • 期待利回りの押し上げ要因となる「長期金利の上昇」があったとしても、将来的に安定的な経済成長が見込めNOIの成長も期待できる場合にはリスクプレミアムが縮小し、期待利回りを押し下げる方向に作用するものと整理できる。
  • 長期金利の変化は不動産価格に直接的に作用するものではなく、その時の経済環境を通じて間接的に作用するものである。
  • 長期金利の上げ下げだけを取り上げて不動産価格の変化を予測することは難しく、「良い金利の上昇」か「悪い金利の上昇」かが重要となる。

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