私募投資顧問部 上席主任研究員
菊地 暁
SDGsの観点から企業がTCFDに対応すべき理由-積極的な移行リスク対策が企業のサステナビリティと地球・社会へのベネフィットを生む
要約・概要
気候変動は、経済分野において看過できないリスクとなっており、問題の解決に向けた対策が必要である。
本稿では、気候変動対策を通じてTCFDの「移行リスク」への対応を実行するために、「戦略的計画・リスク管理マトリクス」を提案した。さらにSDGsを用いて、どうすれば気候変動対策ができて(手段)、どのような地球・社会レベルでのベネフィットが得られるか(効果)を検討した。
気候変動対策としてTCFD移行リスクへ対応することは、企業にとってリスク管理だけではなく、技術革新やレピュテーションの向上などの「機会」にもなり得る。これらツールを用いて「企業のサステナビリティ」と「地球・社会システムのベネフィット」を生み出すストーリーは、紋切型ではない各社固有の気候変動対策として発信できるであろう。
(一般社団法人環境不動産普及促進機構 「RE-SEED(Vol.21)」 寄稿)
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